山椒

このうちには山椒の木がなぜか三本ある。
敷地入口に一本←お義母さんが、草を取るのに邪魔なのよ!と言い放ち、その周辺の草を取るたびにこの枝が邪魔!これが服に引っかかった!というなんとも自己中な考えの元、適当に枝をバスバスきつたので、新芽が出るこの時期に葉っぱがわずかしか出てこず、貧相な事になっている。
↑に関しては、葉っぱがないねーと嘆いておられたので、後先考えず、剪定時期もわかりはしないのに自分の都合だけで切るからそーなるんだと言い捨てておいた。←おそらく、そこまでいわれてもわかってはいないとおもう。

二本目は庭の片隅にひっそり植わっていた山椒。
まだ数年しか経っていないのか、膝くらいの高さの可愛らしい感じの低木である。
最近のお義母さんのお気に入りの木で、この木はついひと月ほど前に彼女に発見され(私はすでに去年気付いていた)発見されてからは延々と葉をむしられ続けている、なんとも気の毒であるが、彼女の取るスピードに挑戦しているかのごとく、新たな葉を茂らせている。

三本目は今週彼女が大発見をしたような勢いで報告してきた裏に生えている木である。
この木、もう充分大きい木であり、もしかしたらお義母さんの習性(食えるとわかったら収穫せずにはいられない、種から植えると少し伸びては間引かずにはいられないという無駄スキル)を予め知っていたのではないかと思うくらい自分の身を守っているようにしか見えない。
おそらく木の高さは3メートルくらい。
彼女の身長は150あるかないか。
彼女が手を伸ばして、めっちゃ頑張って手を伸ばして、葉っぱが一枚とれるこな程度のところから葉が茂っている。
敷地ギリギリに生えており、主に葉が茂っているのは、完全に足元は3メートルくらいの崖っぷちである。
要は枝でも切らない限り葉を収穫することはできない。
そして、彼女は自分の息子に収穫させようとして断られ、取れないならあの木はいらないから切り捨ててしまえという昔話なら悪役のごうじょっぱりの欲深じいさんのようなセリフを吐いておられる。

最初、低木の可愛らしい山椒を見つけて、あの葉っぱはなにか使えないかと聞かれた。
レシピ検索するとまあ、木の芽あえか佃煮が主な使い道のようだったので、佃煮にできるようだと伝えると作って欲しいとざるにいっぱい取ってきた。
一回目は物珍しさもあり、私も喜んで作った。

一週間もたたず、二回目を収穫してきた。

そして、また一週間もたたず、3回目。

もうすでに、私も旦那も山椒の佃煮に飽きていた。
一週間経っても三回目の佃煮はそんなに減っていない。

そして、昨日。

お出かけして帰宅すると、以前よりも倍くらいあるざるに山盛りの山椒の葉。

使うときには言うから、その時に収穫してくれと頼んでいたはずのサラダ菜がまたざるにいっぱい。

なぜか頼んでもいないのに玉ねぎがいくつ切ったんだ!と言いたくなるくらいのスライス山盛りが鎮座していた。

まず、玉ねぎはサラダにするには3日分くらいになりそうだったので、味噌汁、メインのおかず、サラダと三等分にした。

サラダ菜は半分うさぎに献上した。それでもかなり多かった。
サラダにしたがご多分にもれず、残り今日の昼にまわすことになった。

山椒である。

前回作ったやつが残っているにもかかわらず、今までに最高に山盛りなのだ。
とりあえず、夕飯時に前回の佃煮をならべておいた。
誰も食べない。
私も旦那も飽きている。
作れと言わんばかりに取ってきた諸悪の根源の彼女ですら箸をつけない。
いらっとしながら、夕食おわり。

そーいや、旦那が二週間ほど前に出張の時に持って行って分けてあげようかなと言っていたのを思い出し、それとなく聞いてみる。

面倒くさいから持っていかないとのこと。←お客さん7人分用意して持っていくのも大変だとは思う。

じゃあ、前回のが残っているのに作っても意味がないので、前回のを捨てる宣言をしてみる。

すると、せっかく作ったんだから置いといたらいいとのこと。
まあ、佃煮にしてるから、別に置いとくのは構わんのだが、今回のも作ると冷蔵庫は佃煮だらけになる。
それはいやだし、何より今日出しても誰も食べないではないかという旨のことを伝える。
旦那の回答は、おかずが多かったからであった。

ちょっと待て。
好きでおかずを多くしたわけではないし、そもそも今日のメニューは違うものの予定だった。
サラダに至っては、検査入院時にサラダばっかりだったと言われたので、むしろ作らない予定だったけれど、どっかのバカがアホみたいな量の玉ねぎスライスを頼んでもいないし、今までそんなことしたこともないのに暇だからって理由で(多分、いや、絶対に理由は暇だからだ)山ほど作ってる結果があの量になったわけだ。
私のせいではない、断じて。
という、趣旨の説明をした。
苛ついていたので、じゃああの山椒を捨てると宣言する。

黙って聞いていたお義母さんが発言した。

何を捨てるって!?

山椒の葉。

なんで?せっかくとってきたのに!

てか、なんでとってきたわけ?まだ沢山残ってるのにいらんやろ?食べもせんくせに!

というと。

いや、たべるよ!私がおにぎり持っていくのに中にいれるから、作ってよ!うちの冷蔵庫に入れとくけん!!

という。
結局、自分では作りもしない。

そこから、返事もしなかった。
無視である。
余計にむかつくし、多分、苛ついている私は悪態しかつかないので。

多分、今回のはちょっとかたいよー

レシピには硬い時は葉っぱ一枚づつにばらせと書いてある。

今の私にはそんなことする気持ちの余裕はない。
そして、もちろん、彼女は手伝わない。
玉ねぎスライスを作る暇があったら、バラしとけって話だ。

そして、彼女だけが食べるものを丁寧に作るというのは、やらないことにしている。

結果、一旦湯どうし。

あとは、ざく切りにして佃煮。

小さい枝的なものがあるけれど、見なかったことにする。

途中、彼女がやってきて

あらー、よめちゃーん、大変ねえ、ご飯の後までつくらないかんってー

と、猫なで声で言う。

全 無 視 ! !

完成品をでかいタッパにぶっこみ、彼女の指定席に。

しばらくしてまたやってきた彼女は。

硬かったやろ?

というので、

湯どうしはした、あとはしらん

という。

量が多いといいたかったのだろう。
いうと怒られるので、一応、言葉を選んだのだろう。

こっちの分はとった?

いらんやろ?

なんで?ご飯の時用においとけばいいやん

いらん!

なんで?

大体、まだあるのに、今日も出してもだれもたべんやったやろーもん
なのになぜにこっちに必要か意味がわからん。
今あるのがなくなって、自分が食べたいのならば、その都度持参してください。
いりません。

というと、無言で部屋に帰られました。

大概にしとけ、ばばあ。
そもそも、てめーがおにぎり作って持っていくのっていつだよ?
ご飯すら炊かないくせに。
いつまでもはいはいっていうこと聞くと思うな!